準備万端ですか?チャンスをモノにできますか?
いまやニッポン放送の足腰といっても過言ではない活躍の漫才師三四郎。
ブレイクのきっかけとなった番組での仕事っぷりは見事でした。
そしてその番組自体も素晴らしいので再放送の願いを込めて書きます。
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オーディション番組で結果を出せば画面の向こう側の住人になれる。
画面のこちら側もスターダムにのし上がるところが見たい。
登場は威勢よくスムーズに、そこから芸を見せるのが相場。だが、登場した若手漫才師三四郎の出で立ちはギプスに車イス。雲行きが怪しくなる。
数日前に転んで骨折し、歯も欠けている。
この状態で訪れたチャンスをモノにできるのか。
劇場で結果を残してきた漫才師でもこのコンディションだと難しいのか、ケガに目が散って漫才の内容が入りづらい。このタイミングでのケガが悔やまれる。
沸点に到達できずに終わりを迎えようとしていたそのとき、ゲームチェンジは起きた。
ベテラン芸人が一手を放った。
「アイツうるせぇな」
この一言によりケガへの遠慮が消えプロとプロの舌戦が始まった。
若手だけれども三四郎もプロ、一変した展開に劇場で磨き上げた言葉で応えていく。
三四郎の小生意気さと毒っ気を笑いに変え、いつしか歯が欠けていることすら、車イスの見た目すらエンターテインメントに加わった。
ベテランの一手が切り拓いた新しい展開が若手をノせていった。デカめの爪痕を残して出番を終えた。
ベテランの一手で若手漫才師の人生が躍り出した。
たった30分の出来事。
台本じゃないとは思えないやり取り。
おぎやはぎ小木さんの一言がなければ三四郎のデビューはもう少し後だったのではないでしょうか。
この回は忘れられない。
プロvsプロのガチンコ番組。全員が準備万端の人たち。